■1-1　EPS画像を貼り込んでPDF書き出しすると水平線が現れる

　Illustrator CSとCS2にEPS画像を貼り込んで、ファイルメニューの保存コマンドでPDF書き出しすると、ドキュメント内に配置されたEPS画像が分割されてPDFに埋め込まれます。

　このトラブルはアドビシステムズの「サービス＆サポートFAQ情報」に掲載されています。［FAQ検索］の質問文の入力ウィンドウに「水平線」と入力して検索するとリストされます。タイトルは

PDF 形式で保存するとリンク配置した EPS 画像に水平線が入る
　（Illustrator CS/CS2）［文書番号229049］

となっています。このサポートデータベースには、72 ppi以上のEPS画像をIllustrator CSもしくはIllustrator CS2に貼り込んで、IllustratorからPDFとして保存すると、画像が分割されて水平線が表示されることがあると書かれています。

　IllustratorはPDF保存しても［Illustratorの編集機能を保持］して保存すると、PDF内にIllustrator形式とPDF形式の二つのファイルが含まれます。Illustratorで開くときは編集機能を保持したデータが使われます。このデータはIllustrator形式のままなので、EPS画像はリンクされているため画像は分割されていません。Acrobatで開くと、EPS画像は分割されてPDFに埋め込まれた画像になっています。PDFとして保存された画像データ部分は、水平線が現れる可能性があります。

　また同じように、Illustrator形式で保存しても保存時に［PDF互換ファイルを作成］をチェックして保存すると、Illustrator形式とPDF形式の二種類のデータがIllustratorファイル内に含まれます。Illustrator形式で保存しても［PDF互換ファイルを作成］をオンにしたファイルをAcrobatで開くと画像は分割されています。

　EPS画像の分割は、IllustratorがEPS画像をPDFの埋め込み画像に変換する際に発生します。通常は埋め込み処理しても画像は分割されることはなく、分割された画像の隙間に水平線が現れることはありません。しかし、Illustrator CSとCS2ではEPS画像を埋め込む際に画像が分割され、水平線が現れてしまうのです。